2025〜2026年にかけて日本で議論・検討されている「労働基準法(労基法)」の改正・見直しの動きについて、現時点で分かっている内容をわかりやすく整理し解説します。

🧱 1. なぜ労基法を見直すのか?改正の背景

労働基準法は戦後の労働環境を前提に整備されてきました。

しかし近年、働き方改革の進展、テレワークの普及、副業・兼業・フリーランスの増加、デジタル化による働き方の多様化といった変化により、現行制度が実態に合わなくなっているとの指摘が強まっています。

こうした背景を受け、厚生労働省の研究会で報告書がまとめられ、労基法の抜本的な見直しに向けた方向性が示されました。

📅 2. 2026年を目標とする「約40年ぶり」の大幅改正

政府・厚生労働省は、2026年度中、もしくは2027年4月施行を視野に入れた大規模な法改正を検討しています。
労基法の枠組み自体を見直す動きは、実に約40年ぶりとされています。

🔑 3. 主な検討・改正ポイント

✅ (1)「労働者」「労働時間」の定義見直し

テレワークや業務委託の増加を踏まえ、誰が労基法の保護対象となるのかを再整理する動き。

🕐 (2)連続勤務日数の上限規制

現行法では明確な上限がありませんが、14日以上の連続勤務を原則禁止する方向で議論されています。

🧘‍♂️ (3)勤務間インターバル制度の義務化

勤務終了から次の勤務開始まで、一定の休息時間(例:11時間)を確保する制度を義務化する案が検討中です。

📆 (4)法定休日の明確化

「週1日または4週4日」という規定に加え、どの日を休日とするのかを事業主が明示する義務を設ける方向。

📵 (5)「つながらない権利」への対応

勤務時間外のメールやチャット対応について、一定の制限や指針を法制度として整備する議論が進んでいます。

💼 (6)副業・兼業時の割増賃金ルール見直し

複数の仕事を掛け持ちする場合の労働時間通算・割増賃金計算の見直しが検討されています。

⏱️ (7)残業上限など労働時間規制の再検討

長時間労働是正を目的に、残業時間の上限や管理方法の見直しも論点となっています。

⚖️ 4. 労働時間規制の「緩和」を求める動きも

一方で、労働時間規制の緩和を求める声もあります。

高市早苗総理大臣が厚生労働大臣に対し、規制緩和の検討を指示したとされています。

これに対し、労働組合や労働者側からは「働き方改革に逆行するのではないか」といった懸念の声も上がっており、今後の議論が注目されています。

📌 5. 企業・働く人への影響

企業側

就業規則の見直し

勤怠管理システムの変更

休憩・休日・残業管理の厳格化

働く人側

連続勤務の抑制

十分な休息時間の確保

健康への配慮強化

など、働き方に直接影響する改正となる可能性があります。

🔜 今後のスケジュール予定

時期内容
2025年研究会報告・論点整理
2025〜2026年政府法案の検討・閣議決定
2026〜2027年国会審議・施行

※施行時期は法案成立後に確定します。

🧾 まとめ

日本では約40年ぶりとなる労基法の大幅改正が検討中

焦点は、連続勤務制限/勤務間インターバル/休日の明確化/残業規制/つながらない権利

一方で労働時間規制の緩和論もあり、今後の動向に注目が集まっています。