日本の中央防災会議が新たな首都直下地震の被害想定を公表しました。

最新シミュレーションでは、首都圏で最大83兆円規模の経済損失建物約40万棟の大規模被害が予想され、死者・災害関連死合わせて最悪約1万8000人に達する可能性が示されています。

過去の想定よりも複数タイプの地震シナリオを考慮し、最新の科学的知見を反映した数字となっています。

首都直下地震の新たな被害想定とは

中央防災会議は2025年12月19日、専門家18人が2年かけてまとめた新しい首都直下地震の被害想定を発表しました。

これまでの想定を見直し、最新の科学的知見や人口・都市構造の変化を反映した形でシミュレーションが行われています。

想定されるシナリオには、都心南部直下地震や、関東全域に大きな影響を及ぼす可能性のある他のタイプの直下地震が含まれており、被害の規模が詳細に試算されています。

想定される被害の規模

新たな被害想定で示された主な被害モデルは以下の通りです。

建物被害と経済損失

  • 建物に対する被害は約40万棟に達する可能性
  • 経済損失は約83兆円規模と試算

これらの数字は、首都圏に広範囲で強い揺れが発生した場合の影響を反映したもので、経済・社会面にも甚大な影響が出る可能性が示されています。

人的被害

想定では、直接的な地震被害だけでなく災害関連死も含めた人数で、最大約1万8000人と試算されています。

これは単に倒壊被害だけではなく、救助や避難行動の影響なども考慮した数値です。

最新の科学的知見を反映した想定

今回の想定では、過去10年で蓄積された地震学や都市構造に関する最新の研究知見が反映されています。

また、人口構造の変化や耐震化の進展など、これまでの想定では十分に反映されていなかった要素も考慮されています。

東京都などでは、10年ぶりに被害想定の見直しを進め、防災計画の基礎情報として活用しています。

これにより、より現実的な被害想定を基にした防災対策が検討されることになります。

地震が起きた場合の影響

被害想定では、例えば冬の夕方の帰宅ラッシュ時に大規模な震度7クラスの揺れが発生した場合の状況も試算されています。

通勤・帰宅の時間帯や火気使用が重なるタイミングで発生すると、倒壊や火災による二次被害が拡大する可能性が想定されています。

こうしたシミュレーションは、単なる数値ではなく、現実に起きた場合の具体的な被害シナリオとして防災計画に生かされる見込みです。

まとめ

新たな首都直下地震の被害想定では、これまでの試算を大きく上回る規模での経済損失や人的被害が示されています。

東京都や中央防災会議は、この想定を基に防災対策の見直しや地域防災計画の強化を進めており、自治体や企業、住民レベルでの備えの重要性が再確認されています。

「まだ大丈夫」が一番危ない。災害が起きてからでは“絶対に間に合わない” 「そのうち用意しよう」 「日本は災害が多いから、いつかは必要だよね」 ――そう思ったまま、今日まで防災セットを持たずにいま...