日本銀行の最近の利上げ動向と今後の金利見通しについて
日本銀行(BOJ)の最近の利上げ動向と、今後の金利見通しについて、2025年12月時点での状況と市場の予測を整理します。
✅ 現状:なぜ利上げ・金利正常化の流れにあるか
BOJは2025年10月時点で政策短期金利を 0.5% に据え置いています。
とはいえ、BOJ自身は「現在の金利水準は中立金利(経済の過熱も停滞も招かない中立な水準)に比べてかなり低い」とみており、必要に応じて「政策の正常化(利上げ)」を検討する余地があると明言しています。
また、日本の消費者物価(除く生鮮食品)は前年比で約 3% 上昇と、依然としてかなり高め。
これは高インフレ下での金融引き締めの理屈に合致します。
労働市場では、人手不足が続いており、賃上げの動きに注目。
BOJは来春の賃上げ交渉の趨勢を見極めたうえで、追加利上げを判断する意向としています。
→ つまり、インフレと賃金の動向、円安・輸入物価の影響などを踏まえ、「利上げ・金融引き締め」への転換が徐々に現実味を帯びてきています。
📅 近くに予想される利上げ:なぜ市場では「12月」が注目されているか
2025年12月18–19日の次回金融政策決定会合では、政策金利を 0.75% に引き上げる可能性が「大きい」と報じられています。
実際、BOJ総裁の植田和男氏も「次回は(利上げの)是非を適切に判断したい」と述べ、利上げの可能性を否定していません。
市場もこれに反応しており、スワップ取引などでは「12月利上げ確率が高い」と見ている声が多いようです。
🔭 中期〜中立的な金利水準の見通し:どこまで上がるか
銀行・金融大手の見立てでは、BOJは今後も段階的な利上げを続け、半年に1回くらいのペースで0.25ポイントずつ引き上げる可能性があるとの声があります。
その結果として、市場の一部では「最終的な目安(ターミナル金利)は 1.25%〜1.50% 程度、時期は 2027年ごろ」との見通しも。
なお、BOJは名目中立金利のレンジを「およそ 1%〜2.5%」と見込んでおり、現行の0.5%は依然として「緩和的」な水準。
つまり、理論上はまだ上げ余地があるというわけです。
→ ただし、今後の賃金や物価、為替(円安)次第では、このレンジの上限に近づいた時点で利上げを「一服」させる可能性も考えられます。
⚠️ ただし不透明な要素も:足元のリスクや慎重論
たとえば、2026年以降の利上げ再開は「賃上げが継続するか」「米国経済や為替・国際情勢」の動向次第、という慎重な見方もあります。
また、長期金利(国債利回り)が急上昇した場合、BOJは市場安定の観点から国債買い入れを再開する余地がある、という発言も。
つまり、「無制限の利上げ」ではなく「バランスを見ながら慎重な判断」という姿勢も強いようです。
🎯 結論としての「今後の見通し」
現時点では、2025年12月の会合で政策金利を0.75% に引き上げる可能性が高く、中期的には 2027年ごろまでに1.25〜1.50%あたりが市場の目安となりつつあります。
ただし、BOJ自身も「ゆっくり、着実に。」というスタンスを強調しており、為替や物価、賃金の見通し次第ではペースが緩む可能性も十分あります。