2025〜2026年にかけて、日本の生命保険業界で出向者が銀行など出向先の内部情報を無断で取得し、出向元の保険会社に持ち帰っていた事案が複数発覚しました。

この問題は、保険会社の信頼問題・コンプライアンス問題として社会的にも大きな注目を集めています。

日本生命保険の出向者による情報無断取得

日本生命保険では、出向していた社員が 三菱UFJ銀行 などの銀行出向先から内部情報を無断で持ち出していたことが発覚しました。

出向先銀行の保険商品の販売戦略や行員の評価体系、他社保険商品の情報など、営業上の重要情報が対象になっていました。

こうした行為は不正競争防止法で禁止されている「営業秘密の侵害」にあたる可能性も指摘されており、日本生命は金融庁に報告を行い、社内調査を進めています。

同社の調査では、2019年〜2025年に複数の出向者が7金融機関で総計604件以上の情報を不適切に取得していたことが判明し、出向者や社内で広く共有していた事実が確認されています。

銀行との「信頼関係を損ねた」として、日本生命は出向制度の見直しや営業部門への再発防止策を進めています。

第一生命ホールディングスでも同様の事例

第一生命ホールディングス でも傘下の 第一生命保険 の出向者が、 複数の金融機関から内部情報を無断で取得していたことが明らかになっています。この件では、27の出向先で内部情報の取得が確認されたとされ、金融機関側の同意なく情報を取得していたことが「適切ではない」と同社が説明しています。

なお、外部弁護士の判断で不正競争防止法に該当しないとの見解も示されたため、公表していなかった面もありますが、保険会社として適切な手続きではなかったとして謝罪しています。

銀行出向者による情報無断取得問題の背景と影響

こうした事態が発生した背景には、保険会社が銀行の保険販売の現場に出向することで得る営業上の情報を活用しようとする傾向がありました。

しかし、顧客や銀行内部の情報は本来外部に持ち出すべきでなく、出向先の同意がない状態で情報を取得・利用することはコンプライアンス上重大な問題です。

金融庁も出向者による顧客情報の取り扱いについて厳格な態勢整備を求めています。

銀行側では、こうした問題の発覚を受けて 出向者受け入れの廃止や管理体制の見直し に動いており、みずほ銀行や三菱UFJ銀行などが出向者の受け入れを取りやめる方針を示す動きも出ています。

まとめ

  • 近年、生命保険会社の出向者が 銀行の内部情報を無断で取得・持ち出していた問題 が複数発覚した。
  • 具体的には 日本生命保険 などの出向者が 三菱UFJ銀行などの金融機関から営業戦略・内部評価情報などを無断で取得 し、出向元の営業部門で共有していた。
  • 第一生命ホールディングス でも同様の実態が確認され、複数の銀行や販売代理店から内部情報を取得していたことが明らかになっている。
  • 銀行側の信頼を損ねたため、出向制度そのものの見直しや受け入れ廃止の動きも進んでいる。