🔹 高市総理の「台湾有事」発言 — 何を言ったか
2025年11月7日、衆議院予算委員会で、高市総理は「もし(中国が)台湾への武力行使を伴うような行動をとれば、それは日本にとって“存立危機事態”になり得る」と明言。
具体的には「戦艦を使った武力の行使も伴うような場合」が該当し得る、との考えを示した。
「存立危機事態」とは、他国への武力攻撃によって、日本の存立や国民の生命・安全が根底から脅かされるような場合に、集団的自衛権の行使を認め得る、という2015年の安全保障関連法で規定されたもの。
質問に対して「最悪のケースを想定した答弁だった」と釈明しつつも、「政府の統一見解として撤回するつもりはない」と明言した。
ただし、「どのような事態を“存立危機事態”と認定するかは、実際の状況を総合的に判断する」と述べ、あくまで「個別具体的な判断が前提」とも強調。
👉 要するに、高市総理は「台湾有事=日本の存立にかかわる可能性がある」という認識を、公の場で具体例を挙げつつ明示した。
これは、従来の日本政府が避けてきた「あいまい戦略」の踏み越し、と受け止められている。
🌐 中国側の反応
急激な反発と制裁的対応高市総理の発言後、中国側の反応は非常に強硬かつ多岐にわたった。
特に次のような動きが報じられている。
中国の駐大阪総領事(薛剣)がSNSで、「その汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟はあるか」といった過激な暴言を投稿。
これが外交問題化。
中国政府は、日本への渡航や留学を控えるよう呼びかけるなど、人の往来に対する “制限”的な圧力を示した。
さらに、日本からの水産物輸入停止など、経済面での報復措置も。
中国メディアや外務省も「台湾問題は中国の核心的利益の中でも“レッドライン”」と強調。
高市総理の発言を「誤った信号を送るもの」「極めて悪辣(あくらつ)」と非難。
また、中国側は日本との人的/文化的交流(例:動物園のジャイアントパンダの貸与延長、芸術分野での交流など)にも影響を示唆されており、長期的な “しこり” が残る可能性も。
雰囲気がかなり悪化している。
👉 ざっくり言えば、中国は「台湾の件は中華人民共和国の主権に関わる重大な問題」として強く反発し、外交・経済・人的交流のあらゆる面で日本への圧力を強めている。
📉 日中関係の現状と構造的なリスク
“戦後最悪”ともこの一連のやりとりで、日中関係は「発足からわずか1か月余りの高市政権」で、いきなり戦後最悪水準とも言われるまでに冷え込んだ。
背景として、これまで日本は「台湾問題ではあえてあいまいさを保つ」ことによって、中国とのバランスをとってきたが、高市総理の発言はその「あいまい戦略」を明示的に破るもの、つまり安全保障の構造にまで踏み込んだ判断だった。
これにより、経済や人的交流の分野で報復や自粛の流れが出てきており、もしこの対立が長期化すれば、日本側のコストも小さくない。
👉 長年の「経済優先・あいまい外交」による安定が、今回「安全保障と価値観の優先」によって大きく揺らぎつつある。
🔮 今後の見通しと論点
なにが焦点か部識者は、「国際政治と安全保障のバランスをどう取るか」が今後の鍵だと指摘。
日本が安全保障で明確な立場を取るにつれ、経済や人的交流への影響をどこまで受け入れるかが問われる。
同時に、他国(特に米国や台湾)との関係や“抑止力”再構築も今後の焦点。高市政権の発言は、日本が台湾問題で「どこまで踏み込むか」の新たな基準を示したという評価もある。
ただし、国内では「特定の国を名指しし、戦争の可能性を口にするのは戦後として異例」との批判もある。
安全保障論だけでなく、民主主義や国際秩序の観点から論争が続きそう。