現在「5年定期預金の3年目」に入っている状態で、2026年2月以降は普通預金金利のほうが高くなるという状況では、「今すぐ定期を解約して普通預金に移したほうがいいのか?」と迷う人が増えています。

結論から言うと、必ずしも“今すぐ解約したほうが得”とは限らず、途中解約による不利を含めて判断する必要があります。

まず押さえておきたい前提

5年定期預金は、契約時に決めた金利が満期まで固定される商品です。そのため、

  • 定期預金の金利が低いままでも途中で自動的に上がることはない
  • 普通預金の金利が後から上がっても、定期の金利は変わらない

という仕組みになっています。

今、定期を解約するとどうなる?

5年定期を3年目で解約すると、多くの銀行では「中途解約利率」が適用されます。これは以下のような特徴があります。

  • 当初の約定金利よりかなり低い金利になる
  • 場合によっては、普通預金と同程度、もしくはそれ以下
  • これまで3年間分の利息が、さかのぼって低金利で再計算されることもある

つまり、「普通預金金利が高くなるから」という理由だけで解約すると、過去3年分の利息を削る形になり、トータルで損になるケースが珍しくありません。

普通預金に移したほうがいいケース

それでも定期解約+普通預金を検討してもよいケースはあります。

  • 今後、資金を使う予定があり流動性を重視したい
  • 中途解約利率を確認したうえで、今後2年間の利息差で回収できる見込みがある
  • 定期金利が極端に低く、普通預金との差が大きい
  • 他に高金利の預け先(短期定期・キャンペーン商品など)へ移す予定がある

この場合は「感覚」ではなく、数字で比較することが重要です。

残り2年をそのまま続けた場合の考え方

5年定期の残り期間はあと2年です。この2年間については、

  • すでに確保している利息はそのまま維持
  • 解約ペナルティを回避できる
  • 満期時点で、改めて高金利の普通預金や定期を選び直せる

というメリットがあります。

特に金利上昇局面では、「満期を迎えてから動く」ほうが有利になりやすいのが特徴です。

判断するときのチェックポイント

実際に判断する際は、以下を必ず確認しましょう。

  • 銀行が定める「中途解約利率」
  • 解約した場合の、これまで3年分の利息総額
  • 残り2年を定期で続けた場合の受取利息
  • 普通預金に移した場合の、今後2年間の想定利息

この4点を比べると、どちらが有利かはっきり見えることが多いです。

まとめ

普通預金金利が定期預金金利を上回る局面でも、5年定期を3年目で解約するのは慎重に判断すべきです。

途中解約による利息減少が大きく、結果的に「普通預金のほうが高金利でも損をする」ケースは少なくありません。

基本は、残り2年をそのまま運用し、満期後に高金利商品へ移すという考え方が無難です。

どうしても動かす場合は、必ず数字で比較したうえで判断することが重要です。