中国ではここ数年、出生率の低下と人口の減少が大きな社会問題となっており、政府もさまざまな対策を打ち出していますが、根本的な解決には至っていません。

かつて1人っ子政策で人口抑制を行った影響が長期的な形で残っているほか、経済・社会の変化によって若者世代の結婚・出産観も大きく変わっています。

今回は中国の少子化問題の原因・現状・政府対策・今後の課題を整理します。

📉 現状:中国の人口は減少が続く

中国の人口はここ数年、連続して減少しています。

2024年の出生数は約954万人と報告され、過去数十年で最低レベルの新生児数となりました。

人口は2023年も減少しており、この傾向は3年連続で続いているというデータがあります。

出生率低下には長年の人口抑制政策の影響に加え、結婚や出産を選ばない若者世代の増加育児負担の重さ女性の社会進出による価値観の変化などが絡んでいます。

🧠 主な原因①:政策歴史と構造的な影響

中国は1980年代から約30年以上にわたり人口を抑制する「一人っ子政策」を実施しました。

この政策は出生率を大きく低下させる効果を持ったものの、人口構造の歪みや長期的な出生率の低さをもたらしました。

一人っ子政策は2016年に撤廃され、その後、夫婦が3人までの子どもを持つことを認める政策が導入されていますが、期待されたような出生率回復にはつながっていません。

海外メディアなどからは、「過去の人口統制が続く影響は容易に逆転できない」「政策が国民にとって理解しがたい面がある」といった指摘も出ています。

🏙️ 主な原因②:結婚・出産の選択が変化

中国でも最近の若者は「結婚・出産よりも教育やキャリア、生活の質を優先したい」という価値観が広がっています。

晩婚化、非婚化が進み、結婚自体が減少傾向にあります。ある専門家は、結婚率の低下と出生率の低下は密接に結びついていると示しています。

また、都市部では住宅費や教育費が非常に高いこともあり、若い世代にとって子どもを持つことの経済的負担感が出生回避の大きな理由となっています。

👵 社会構造の影響:高齢化と労働力不足

出生率の低下と並行して、中国は急速な高齢化社会に直面しています。

総人口のうち高齢者の割合が増え、働き手の人口が減少していることで、社会保障制度や年金制度への圧力が高まっています。

将来的には高齢者が増える一方で、労働年齢人口の減少による経済成長へのマイナス影響が懸念されています。

📊 政府の少子化対策

中国政府は少子化対策として、これまでに次のような政策を打ち出しています。

  • 2016年の1人っ子政策撤廃後、2〜3人子どもを持つことを認める政策
  • 育児補助金や税控除、子育て支援制度の拡充
  • 子育て世帯向けの保育・教育支援の強化
  • 2026年1月からの避妊具・避妊薬への付加価値税導入といった新政策も発表

ただし、専門家の間では「これらの対策は象徴的な意味合いが強い」「出生率に大きな効果をもたらすかは不透明」という意見もあります。

🔍 まとめ:中国の少子化の全体像

  • 中国は長年の人口抑制政策と社会構造の変化により出生率が低下、人口が3年連続で減少しています。
  • 経済負担、晩婚化・非婚化、価値観の変化などが出生率低下の主な背景です。
  • 高齢化の進行や労働力不足といった深刻な課題が併存しており、中国政府は様々な対策を講じていますが、根本的な解決には至っていません。

中国の少子化は国内の将来だけでなく、世界経済や国際社会にも影響を与える可能性があり、今後の動向が広く注目されています。